長期ビジョン

背景

近年、持続可能な開発目標(SDGs: Sustainable Development Goals)に示されるように、地球温暖化や海洋汚染・森林破壊などの環境問題の深刻化、貧困、人権侵害、先進国/新興国間の格差拡大などの地球レベルで解決を求められる課題が山積しており、企業における社会課題解決への貢献が大きく期待されています。

このような背景の中、私たちエヌ・イー ケムキャットは、社会における当社の役割を再認識し、持続的な社会の実現に貢献していく姿勢を明確にするため2021年4月に「経営理念」、「企業行動指針」を制定しました。経営理念では、当社の存在意義・ミッションを示すとともに、経営環境や事業環境の変化に左右されることなく当社が追求すべき経営のあり⽅を定めています。

この新しい経営理念のもと、当社が目指すべき長期的な方向性を明確にするために“ビジョン2030”を策定しました。2050年グローバルでは人口増加、アジア主導の経済進展、環境問題の深刻化、再生可能エネルギーの拡大やカーボンニュートラルをはじめとする循環型社会の実現等が見込まれています。国内においては、労働人口の減少、GDP成長率の鈍化、エネルギーの自給および循環型社会に向けた取り組みが加速すると予想されています。

“ビジョン2030”では、これら当社事業を取り巻く2050年の社会環境予測からバックキャストし、今後の当社の進むべき方向性について財務、事業、経営基盤の3つの視点から2030年のありたい姿を可視化しています。

ビジョン2030

触媒の新たな価値を社会に提供し、
持続社会の実現と地球環境保護に大きく貢献する。

財務

スループットを高めるリーンな社内プロセスを構築し、ROIC指標により事業運営に必要な資産を計画的に配置し、事業の持続成長・発展を支え財務基盤を強化する。

事業

これまで培ってきた触媒技術や顧客との信頼関係を基礎に、SDGsに代表される社会課題解決に貢献する新たな触媒技術の開発と事業領域を開拓し持続成長する。

経営基盤

ESG理念の下、健全な企業経営を図り、社員が当社で働く喜びを共有し、ステークホルダーと連携して持続的にイノベーションを生み出す環境および体制を構築し企業価値向上を目指す。

触媒は化学反応の源として、化学工業など幅広い産業で利用されています。当社は創業以来、触媒の提供により社会全体の発展に寄与するとともに、自動車触媒による排気ガスの無害化などを通じて、環境問題の解決などに貢献してきました。

一方で、環境汚染や地球温暖化は深刻さを増しており、2050年には最大2度、また2100年には最大4.8度世界平均地上気温が変化する可能性があると言われています。

地球温暖化が進むと、海面上昇や砂漠化、異常気象、海の生態系の破壊等の影響があり、CO2排出量を抑えることが急務となっています。

1986年~2005年平均に対する世界平均地上気温の変化

そのため、2050年には再生可能エネルギーの拡大やカーボンニュートラルをはじめとする循環型社会に向けた取り組みが加速すると予想されています。

当社は持続可能な社会の実現に向けて、触媒開発・製造および貴金属リサイクル事業により培われた知見や技術を活用し、社会に新しい価値を提供していきます。そして脱炭素化に向けたFCV・水素関連分野への取り組みを強化し、環境保全やSDGsに関連するビジネスについて80%以上の構成比を目指します。

ビジョン実現のための16のキードライバーの図

上記実現のため、ROICを最重要経営指標と位置づけ、既存事業の強化と新規事業の育成に努めます。経営資源を最適に配するとともにプロセスのリーン化を推進しスループットを最大化します。

また経営基盤の強化としてESG経営を推進します。CO2排出原単位の削減(2013年度比50%減)など事業活動全般にわたる環境負荷の軽減に取り組むとともに、ステークホルダーとの連携を強化し、健全な企業経営と活力ある職場環境を実現します。これによりイノベーションを促進し、持続的な成長と企業価値の向上を図っていきます。 

ビジョン実現のための施策

当社を取り巻く事業環境は急速に変化しており、ビジョン2030を実現し持続的に成長し発展するためには、会社の価値観・構造を根本的に変えるコーポレートトランスフォーメーションが不可欠です。

私たちはビジョン実現のための16のキードライバーを設定し実行することで、既存の体制を再構築し、新たな価値を創造できるようコーポレートトランスフォーメーションを推進します。

ビジョン実現のための16のキードライバー

財務
  1. 1ROIC指標を軸とした経営管理プロセスの強化
事業
  1. 2現行ビジネス強化・新規ビジネス創出のための事業推進体制の再構築
  2. 3SDGsをはじめとする新領域開拓と新技術(製品)開発の推進
  3. 4マーケティング機能強化およびバリューチェーンの最適化
  4. 5DX活用等による開発プロセスの効率化と新技術創出
  5. 6プロセスエンジニアリング機能強化によるリーンな生産プロセスの構築
  6. 7LSS(リーン・シックスシグマ)活動推進による全般的な工程の改善
  7. 8調達機能強化および健全なサプライチェーンの確保
  8. 9貴金属管理プロセスの最適化
  9. 10DXの全社展開を推進する体制の構築
経営基盤
  1. 11事業活動全般における環境負荷物質の低減、環境事故・労災防止の徹底
  2. 12事業所における貴金属・化学物質管理の強化
  3. 13RC(レスポンシブル・ケア)活動推進による安全衛生・環境管理の徹底
  4. 14適切な情報発信・対話によるステークホルダーエンゲージメントの強化
  5. 15積極的なチャレンジを促進・支援する人事システムの構築
  6. 16ESG経営の推進および活力ある職場環境の実現