社員紹介 | 酒井 寿彦

持続可能な社会の実現に向けて
触媒開発のスペシャリストを目指す

研究開発センター化学触媒開発部 沼津化学触媒課
酒井 寿彦
Toshihiko Sakai
2020年入社 農学生命科学研究科 / 応用生命化学専攻修了

※所属・仕事内容は取材当時のものです。

粉末系触媒の開発を担い
顧客の課題解決につながる触媒を設計

現在、私は沼津化学触媒課で、医薬品や農薬の製造工程に用いられる「粉末系触媒」の開発を担当しています。仕事の範囲は非常に広く、お客様へのヒアリングから始まります。お客様が自社製品を製造する際の課題をお聞きし、課題解決につながるような触媒を設計・調製して開発サンプルを提案。お客様に触媒を評価していただき、設計内容を微調整して、製品化までもっていきます。粉末系触媒はその名にある通り、粉末状の担体に金属を担持したもので、貴金属の種類や担持方法、担体の選択などにより触媒の性能が変化します。そして、触媒の活性は最終的には反応評価にかけてみなければわからないため、狙い通りの性能が出るまで試行錯誤が続きます。また、たとえ高活性な触媒開発を実現できたとしても、不純物の割合が高くなってしまうこともあります。このように、望む性能を達成するのは非常に難しく、だからこそ、提出した開発サンプルをお客様が高く評価してくださった時は、大きな喜びを感じます。

先輩社員とのディスカッションを
通じて
触媒開発に必要な
知識とスキルを習得

エヌ・イー ケムキャットは少数精鋭で、若手社員も早い段階から責任ある仕事を任されます。私自身も入社1年目、化学触媒開発部のつくば化学触媒課に配属になり、チャレンジングなテーマを与えていただきました。より少ないパラジウムで高い活性を示す触媒を開発することが、当時の私のミッション。担当指導員の先輩を始め、周囲の先輩方が私を助けてくれました。開発に躓きそうになるたびに先輩が適切な助言をくださったほか、ディスカッションの場を頻繁に設けていただきました。その結果、パラジウムの担持状態をコントロールできるような調製方法を発見することができました。当時の私は触媒に関する知識がまだ浅かったので、固定概念を持たず、新しい視点でアプローチできたのかもしれません。いずれにしても、先輩が頻繁にディスカッションの場を与えてくれたおかげで、その都度考えを整理でき、触媒への理解を深めることができました。「設計→調製→分析→考察」という開発の一連の流れを新人時代に学ぶことができたのは、私を支えてくださった先輩方のおかげです。

その後、沼津化学触媒課に異動してからは顧客を5~6社受け持ち、複数のプロジェクトを担当しています。新人時代、担当指導員の先輩と何度もディスカッションしたように、今も気軽に声をかけあい、ディスカッションすることが多いです。「チーム一丸となって一つの目標に向かっている」という実感を常に得ています。また、私は学生時代、農学を専攻し、「化学に関わる仕事に携わって社会貢献したい」という思いから当社に入社しました。触媒には、「少ないエネルギーや負荷で化合物を合成できる」「副生成物を低減できる」というメリットがあり、「触媒の開発・製造を通じて、持続可能な社会の実現に貢献することができるのでは」と期待しています。当面の目標としては、まずは現在の部署で数多くの開発案件を担当し、粉末触媒のスペシャリストを目指していきたいですね。「粉末触媒のことなら、酒井に任せれば安心」と社内の先輩方に評価していただけるぐらいに成長できたらうれしいです。

スケジュール Schedule

  • 7:40

    出社好きな音楽を聴きながら車通勤しています。

  • 8:00

    ツールボックスミーティングツールボックスミーティングにより本日行う業務を確認します。

  • 9:00

    実験ファインケミカル向けの新規触媒開発に取り組んでいます。隙間時間でデータ整理やメールチェックを行います。

  • 11:00

    打合せ社内・社外の方と触媒の開発方針に関しての打ち合わせを行います。最近は専らweb会議です。

  • 12:00

    ランチコロナ禍でマスクを外しては喋れないため、テレビを見ながら社員食堂で静かに昼食をとります。気分転換に10分ほど昼寝をすることもあります。

  • 13:00

    実験午前に引き続き実験を行います。実験室にいる同僚と実験結果についてディスカッションするのが楽しみです。

  • 16:00

    デスクワーク翌日以降の実験内容を考えるために実験データの整理や論文の読み込み等を行います。打ち合わせが翌日以降に予定されている場合は資料の作成も行います。

  • 17:30

    残業平均で1~2時間程度です。

  • 18:00

    帰宅朝同様好きな音楽を聴きながら車で退勤します。