ビジネスフィールド

私たちエヌ・イー ケムキャットは、1964年に住友金属鉱山株式会社とエンゲルハルドコーポレーション(現BASFコーポレーション)の合弁会社として設立され、日本のみならず世界をフィールドに、高活性・高選択性・高耐久性をもつ貴金属触媒のリーディングカンパニーとして事業を展開してきました。

私たちが扱う“触媒”は、化学反応の速度を速めたり、よりスムーズに効率よく反応させる役割を担っており、私たちの生活にはなくてはならない存在です。たとえば、ペットボトルやスマートフォンのディスプレイ、医薬品、衣服、食品、エネルギーまで、私たちの身近にあるあらゆるものの製造過程に、触媒が用いられています。
また、私たちの主力である自動車触媒は、排気ガスに含まれる大気汚染物質を浄化する働きをしており、環境問題をはじめとする社会課題解決にも貢献しています。

私たちエヌ・イー ケムキャットは、長年培った貴金属化学加工の高い技術力をベースに、貴金属触媒のスペシャリストとして、自動車触媒、化学触媒、燃料電池触媒、貴金属回収の4領域を主軸に事業を展開しています。

エヌ・イー ケムキャットの主な事業 Business Field

  • 自動車触媒
  • 化学触媒
  • 燃料電池触媒
  • 貴金属回収

自動車触媒

厳しい排ガス規制に対応し、高性能な自動車触媒を開発
人体に有害な物質を無害化して、持続可能な社会の実現に貢献

自動車触媒は、「排気ガスに含まれる有害物質を無害化する」という重要な役割を担っています。自動車の排気ガスには、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)、粒子状物質(PM)などの有害物質が含まれており、自動車触媒はこれら有害物質を化学反応により無害な物質に変換させます。先進国を中心に各国で排ガス規制や燃費規制(CO2排出規制)の強化が進んでいますが、エヌ・イー ケムキャットは顧客のニーズに応える形で、厳しい規制をクリアした自動車触媒を開発しています。浄化性能はもちろん、耐久性や低温活性、高温耐熱性など、あらゆる基準をクリアした当社の自動車触媒は、顧客から高く評価されています。

自動車触媒の利用分野

ガソリン自動車触媒
ガソリン車から排出される有害物質を浄化する、排ガス浄化触媒の開発・製造を行っています。
ディーゼル自動車触媒
ガソリン車用触媒で培った技術と経験で、各種ニーズに対応する触媒の開発・製造を行っています。

化学触媒

ファィンケミカルからエネルギープラントまで、
化学触媒の提供を通じて、日本の産業を力強く支える

化学反応を促進させる触媒は、医薬品や染料、香料、樹脂添加剤といった「ファインケミカル」から繊維やプラスチックなどの「石油化学製品」はもちろん、水素エネルギーや都市ガス、原子力発電などの「エネルギープラント」、さらには、工場における「排水・排ガスの浄化」など、さまざまな分野に用いられています。エヌ・イー ケムキャットの化学触媒は、このような私たちの生活に欠かせない製品の生産やインフラに使用されています。1964年の設立以来、当社は化学触媒の提供を通じて、日本の産業を力強く支えてきました。製品の安定的な生産のために。よりクリーンな社会の実現のために。エヌ・イー ケムキャットの化学触媒のニーズは、ますます高まっています。

化学触媒の利用分野

エネルギー
水素製造、都市ガス製造、及び原子力発電プラントで触媒が使われています。
医薬品
糖尿病薬、血圧降下剤、抗生物質などの合成に触媒が使われています。
環境
工場排ガスの脱臭や浄化、工場廃水の処理に触媒が使われています。
ファインケミカル
染料、香料、樹脂添加剤などの合成に触媒が使われています。
石油化学
繊維やプラスチックなどの製造に用いられる基礎化学品の合成に、触媒が使われています。

燃料電池触媒

クリーンなエネルギーとして注目を浴びている「燃料電池」
20年以上前から燃料電池触媒の開発に着手し、量産・供給体制を整備

水素と酸素の化学反応により電気エネルギーを生み出す「燃料電池」は発電効率が高く、有害な物質を排出しないことから、今、最も注目を浴びているエネルギーの一つです。エヌ・イー ケムキャットは20年以上前に燃料電池触媒の可能性に着目し、家庭用燃料電池向け触媒や車載燃料電池用電極触媒の開発を進めてきました。現在は「改質触媒」及び「PROX触媒」の量産・供給を行っています。日本では、2014年に世界に先駆けて燃料電池車(FCV)を商用化して以来、水素ステーションの整備を進めており、当社の燃料電池触媒のニーズはますます高まることが予測されます。

貴金属回収

使用済み触媒に含まれる貴金属を回収し、高精度で精製
触媒に使用する貴金属量を低減させる技術にも大きな強みが

触媒の材料である貴金属は高価かつ希少であることから、使用済みの触媒に含まれる貴金属を回収・精製して、リユースすることが求められています。エヌ・イー ケムキャットは、「貴金属回収・精製技術」に加えて、貴金属の使用量を低減させる「貴金属低減技術」も有しています。貴金属の回収・精製においては、顧客から回収した使用済み触媒からプラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、金(Au)などの貴金属を分離回収。付着した不純物を取り除いた上で、高純度に精製します。また、貴金属低減技術により、より少ない貴金属量で従来と同等もしくはそれ以上の性能を持つ触媒を設計・提案することも可能です。このように、当社は触媒の提案から貴金属の回収・精製までをトータルでサポートしています。