沼津事業所内にあるあらゆる設備を見直し、全社員が「使いやすい」と感じる設備を―

製造設備を設計したい思いを叶えるため、転職を決意

化学が好きだったことに加え、社会に貢献できる学問を究めたいという想いから、薬学部に進学しました。大学院では、パラジウムカーボン粉末触媒を用いた新しい有機合成プロセスの構築に取り組みました。貴金属の1つであるパラジウムは化学反応における触媒活性が高く、さまざまな化合物と反応します。しかし、化学触媒におけるニーズは、「単純に反応を促進すれば良い」というわけではありません。時には反応中間体の獲得や、反応そのものを制御したい場合もあります。そこで、ある特定の官能基のみが特異的に反応するような触媒設計を研究テーマとしていました。まだ世の中にない(すなわち、まだ常識になっていない)先端研究に取り組めた学生時代は、私にとって多くの「学び」を痛感する貴重な機会でした。その「学び」は現在の仕事にも活かせていると実感しています。

製造ラインをはじめあらゆる設備を設計自ら設計した設備が、目の前にある喜び

現在、私は2つの製品カテゴリを跨いだ研究開発に取り組んでいます。燃料電池用触媒とファインケミカル用触媒です。分野は異なりますが、それぞれの専門性がうまくシナジー効果を生み、研究開発に活かされていますね。まず燃料電池用触媒は当社の新事業であり、未来を目指した技術でもあります。基本となる白金が高価なため、実用化においては使用量を減らし、触媒コストを抑える必要があります。本課題を解決すべく、「白金触媒表面の質の向上」をコンセプトに現在研究を進めています。もうひとつのテーマであるファインケミカル用触媒に関しては、世の中が求めるニーズを営業部門と共に探りながら、試作品の試行錯誤を繰り返していますね。いつか今の触媒常識を覆すような発見(インサイト)を得て、イノベーションに繋げたいですね。

研究開発者にとって大切なことは、「仮説の段階でどこまで深く考えることができるか?」だと思っています。このような考え方のもと、これまで様々な可能性を考慮して、検証を行ってきたため、想定外の結果が出ることはそれほど多くありませんでした。それでも、時には自分の常識範囲を超える結果が突如として現れることがあります。そのような時は研究者として一番ワクワクしますね。「なぜ、このような現象が起こるのだろう?」「もしかしたら大きな勘違い(=思い込み)をしていたのかもしれない・・・」と。「よく見、よく調べ、よく考える」――これは、当社つくば開発室で掲げている開発ビジョンです。平明な言葉ですが、研究者として大切な姿勢が言い表されていると思っています。この言葉の本質を軸に持っていれば、今後困難に直面したとしても自信を持って前に進んでいけると思っています。

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