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?触媒とは

物質が結びついて化学変化を起こすとき、
反応速度を速めたり、より効率よくスムーズに
反応させる役割を果たしている“触媒”。
物質と物質をつなぐパイプ役であり、
化学反応のプロデューサーとも言うべき存在です。

実はこの触媒、社会のいたるところで活用されています。
たとえば、自動車の排気ガスを除去する触媒として。
医薬品を安全かつ安定的に合成するための触媒として。
また、スマートフォンやタブレット、パソコンなど
電子機器・通信機器の部材にも―。
医薬品・香料、食品、繊維やプラスチック、各種エネルギーまで。

私たちが当たり前のように感じている“便利で快適な生活”は、
触媒技術によってもたらされたと言っても過言ではありません。

!私たちの扱う「触媒」

1964年、住友金属鉱山株式会社と
エンゲルハードコーポレーション(現・BASFコーポレーション)の
合弁会社として設立されたエヌ・イー ケムキャットは、
化学反応をビジネスフィールドとする触媒のリーディングカンパニーです。
私たちの生活に欠かすことの出来ない重要な役割を担う触媒ですが、
当社が取り扱う触媒は貴金属を主な原料として用いていることが大きな特徴です。
それら貴金属触媒は、他の触媒には無い
高活性・高選択性・高耐久性を持つという優れた面があり、
それに加え当社の高い技術力によってこれまで継続的な成長を遂げることができました。
その高い技術力は、貴金属の化学加工をベースとして
“自動車触媒事業”と、“化学触媒事業”の2つの事業に展開されています。
それぞれ、触媒技術の基礎研究から触媒の開発・製造、販売までを一貫して行っています。
ここでは、2つの事業の特徴をご紹介します。

有害ガスをわずか1%に削減!― 澄み切った空気を創り出す“自動車触媒”―

もしも、街中を走る自動車の排気が浄化されていなかったら・・・?
現在のような便利な暮らしと快適な環境の両立は、もっと限定的なものになっていたことでしょう。
有害物質の除去は、クリーンな社会の実現に欠かすことのできない取り組み。
私たちは各種自動車メーカーの依頼に応じて、
自動車から排出される大気汚染物質を浄化する触媒を開発・製造しています。
自動車性能と社会的なニーズに応える取り組みは日々進化を続け、
排気ガス中の有害物質は日本ではこの20年間にわずか1%まで減少しています。
澄み切った空とクリーンな空気を創り出す上で、
エヌ・イー ケムキャットの自動車触媒が欠かせない存在となっています。

主に日系の自動車メーカーのガソリン自動車に向けて、排気に含まれる有害物質NOx、CO、HCの3元素を無害化する触媒を開発・製造・販売しています。 生産を開始したのは1979年、2005年には出荷1億個を達成している日本の触媒メーカーのパイオニアであり、国内のガソリン車向け触媒では3割以上のシェアを持つ最大手となっています。 そして現在、乗用車の国内主要メーカー8社全てに触媒をご提供しているのは当社だけとなり、業界をリードし続け、BASF社との連携で海外展開にも力を入れています。

主に日系のディーゼル自動車・建設機械メーカーに向けて、排気ガスに含まれる有害物質NOx、CO、HC、PMの4元素を無害化する触媒を開発・製造・販売しています。バスやトラックをはじめ、建機・農機にも利用されるディーゼルエンジンを搭載した車両は今後、新興国を中心として国際的な排気ガスの規制強化が予測されており、高い需要が期待できる分野です。当社でも高まる需要に対応するため、現行の倍以上の生産能力を持つ新たな生産ラインを導入しました。

高品質・高機能の製品を生み出すカギとなる―あたりまえの暮らしを支える”化学触媒”―

毎日のように手にしているペットボトル。
ペットボトルの製造過程に触媒が使われていると言ったら、みなさんは驚かれるかもしれません。
たとえばスマートフォンも、部品一つひとつの元をたどれば多くが石油化学製品に辿り付きますが、
石油から最終製品をつくるまでの間で、原料を基礎製品へと加工する過程に、様々な触媒が使われているのです。
身につけている衣服も、使っている日用品も、暮らしている住まいにも――。
日本の化学業界が高品質・高機能な化学製品を効率よく、
大量に生産し、安定的に供給する上で、触媒は不可欠なもの。
つまり、半世紀の歴史を誇るエヌ・イー ケムキャットは日本の産業の発展そのものを支えてきたのです。

エヌ・イー ケムキャットの化学触媒は、主に石油から酢酸ビニルやポリエステルなどが製造される工程で用いられています。たとえば、皆さんが普段身につけている衣服などの合成繊維材料に使われるナイロンや、カプセルタイプの医薬品の生産にも欠かすことの出来ない材料の一つです。家電製品などの電子機器では、基盤などの内部からケースやボタンに使われる樹脂にまで広く関っていますし、農薬、染料・香料など、さまざまな製品が作られる上で化学触媒が複合的に関っているといえます。身近な製品だけではなく、近年では宇宙産業や環境保全の用途などにも利用されることが多くなっています。

当社の触媒の多くには貴金属が使われています。貴金属触媒は選択性が良く、少ない使用量で効果的な反応が得られ、溶媒の種類を選ばず使えることや再活性をすることで繰り返し使用できることで需要が高い一方、素材自体が高価なため、より少ない量で最大限の反応を得られる製品開発が求められます。また、そのように高価で希少な限りある資源のため、使用済み触媒に含まれる貴金属を回収・精製し、お客様に還元・再利用いただくことも当社の大きな役割の一つです。

燃料電池用触媒は、エヌ・イー ケムキャットが近年、最も力を入れている新事業です。水素の反応エネルギーを動力源とする燃料電池は、CO2を排出しないクリーンな次世代のエネルギー源として期待されています。この燃料電池の実現に欠かせないのが、水素の反応エネルギー生成を加速させるための触媒技術です。
当社ではすでに家庭用燃料電池向けの触媒を開発し、また、燃料電池自動車用の電極触媒の開発も進めています。日本では、2020年までに燃料電池自動車用の水素供給ステーションを国内100カ所以上整備する構想があり、マーケットの拡大が期待されます。
引き続き、車載燃料電池用電極触媒の開発に積極的に取り組み、低コスト化や高機能化の実現を目指していきます。

column01 R&D 100アワード

2012年、当社がアメリカの国立研究所との共同研究により取り組んだ『燃料電池用低白金コアシェル触媒の開発』が、R&D100アワードに選出されました。燃料電池の電極触媒にはプラチナ系の触媒を使いますが、プラチナは希少金属のため、使用量の削減が普及の要といわれています。当社は、白金使用量の著しい削減に成功し、その技術がR&D100アワードにて受賞されました。当社の燃料電池用触媒技術が、世界的にも一歩抜きん出ていることが証明されました。

column02 Spring-8

2013年、「第10回ひょうごSPring-8賞」を受賞しました。SPring-8は世界最高性能の放射光を発生することができる大型の研究施設で、この活用を通じた社会経済全般の発展に寄与することが期待される研究成果に贈られています。従来、Pd触媒は反応や合成の過程において副生成物やPd金属の混入が起きて、後工程において多くの場合精製処理が必要とされていました。そこで、SPring-8のBL14B2のXAFS測定を用い、Pd工業触媒の合金化や単体材料による触媒構造の変化を調べ、触媒性能の関係を明らかにし、この欠点を克服、産業界のニーズにあった工業触媒の開発・実用化に成功し、市販にも至ることができました。これらの開発触媒は、従来に比べ大幅に反応効率が向上し、産業、社会が注目する新製品を生み出す多くの可能性を持ちます。SPring-8を利用し改良を重ね開発に成功、市販化を公表した初めての工業触媒であり、今後放射光を利用した新工業触媒の開発や製品化、産業界の競争力向上への寄与が期待されるということで受賞されました。

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